明治神宮例祭遠的大会三連覇
21歳で浦上道場に入門した同年に既に国民体育大会で東京代表として出場した宮田純治は、その後も順調に弓道稽古を積み重ね、2年後には全日本弓道連盟の審査で五段を授かり、明治神宮例祭遠的大会に出場しました。
そして、昭和36年、37年、38年の同大会において、遠的でも近的を射抜くが如く矢所を集めた宮田純治は、射抜きで的が小さくなっても全て的中させ、3年連続で同大会で優勝致しました。
60mの距離をまっすぐな鋭い軌道で狙ったところに正確に矢を飛ばす為に、伝統の弓射では、強弓を用いるだけではなく(昔の竹弓では㎏のような欧米の単位の計測ではなく、六分、七分、のように厚みで表現された)、弓長も関係することが、特に堂射において研究され判明しました。
使用弓: 竹弓 三寸詰 25㎏ (服部喜寿作)
使用矢: 竹矢 遠的矢 (曽根正康作)
三十三間堂の120mある廊下を、5mの天井の弾道制限で飛ばす為には、仰角を上げて山なりに矢を放つわけにはいかず、当時の射手が試行錯誤・研究を重ね、下を切り詰めた短い弓が、低く真っ直ぐな弾道でより遠くに届く事を発見しました。堂射では、稽古・練習において三寸詰、本番で五寸詰が使用されましたが、宮田純治は、遠的では三寸詰以下を使用しました。
これだけの強弓を用いて、細い箆と小さい矢羽の竹矢の遠的矢を真っ直ぐ飛ばす為には、より角見を利かせた押手起点の離れが実現しないと、なかなか矢が真っ直ぐ飛ばず、馬手離れの特徴である矢尻近辺の箆が振動すると、細い箆と小さい矢羽の竹矢の遠的矢はすぐにバランスを崩します。
遠的においても、足踏み他いくつかの遠的の心得はあるものの、弓射の基本は、巻き藁・近的における基本と同じであり、遠的での高いパフォーマンスは、普段の稽古の積み重ねにより、実現しています。
※ミヤタでは、過去には伝統の和弓の弓長である三寸詰から三寸伸まで製作しておりましたが、お陰様で非常に多くのご注文を頂いている中、なるべく多くの弓をお客様にお届けする為にも、現在は標準の並寸・二寸伸のみの製作とさせて頂いております。