World Archery Championships 1967  グラスファイバーFRP製和弓の挑戦

1967年6月25日、オランダ アメルスフォートで開催されたWorld Archery Championships 1967の第一日目が、開会式の後、昼近くから競技が開始されました。晴天には恵まれたものの風が強く、波乱を予想させる天候となりました。

宮田純治の結果は、残念ながら総合成績は、合計1,357点、129人中129位と最下位の成績に終わりました。事前にグラスファイバーFRP製和弓とジュラルミン矢等の新弓具で練習を重ねてはいたものの、弓道の射術と弓具によるアーチェリー競技、競技での使用経験がほとんど無い新弓具のグラスファイバーFRP和弓とジュラルミン矢による挑戦、というあまりに新しい試みは、大会当日まで試行錯誤が続きました。

しかしながら、1日目、競技は90mからスタートし、矢勢重視で細い麻弦(2匁)を使用したところ強風の影響もあり予想ほど的中精度が高くなく、70mから麻弦を2.3匁に変えて、やっと的中しだしました。競技の感覚を得た宮田純治は、しり上がりに成績が上がり、2ラウンド目は50m以外の距離において全て最下位ではなく、最長の90mにおいては世界のトップアーチャー8人を抜き129人中121位、70mでは5人を抜き124位、弓道の近的に近い30mでも3人抜き、126位という成果をおさめました。宮田純治が自作のグラスファイバーFRP製和弓と、弓道の正しい射法・射術指導のもと、たゆまぬ稽古により磨き上げた伝統弓道の射術により、世界のトップアーチャーと競った証となりました。

120mの距離を飛ばす堂射で飛躍的な発展を遂げた伝統弓道の弓射の射法と射術を基に、稽古を積みかさねた宮田純治の弓道の射術に加え、アーチェリールール化での伝統弓具の課題を克服したグラスファイバーFRP製和弓の開発をはじめ、アーチェリー弓具の素材・技術を応用した創意工夫した新弓具も、大きな貢献となりました。競技結果は惨敗となりましたが、世界の大多数の選手が、スタビライザー・クリッカー・サイトを搭載したアメリカ製のグラスファイバーFRP製のリムの弓と、近代アーチェリー弓具を使用しているなか、自ら開発した新和弓弓具によるアーチェリー世界大会参加という、弓道史上において、未知の挑戦の大きな成果となりました。

宮田純治は強風の中で70m、90mと弓道の遠的の距離を超える弓射をして、弓手起点で真っ直ぐに放たれた矢は、強風に煽られる為ほんの少し傾きながらも、真っ直ぐ矢が飛ぶ様を自ら確認しました。改めて、弓道伝統の射法・射術である、弓手起点の伝統射法によって放たれた矢の安定性をみました。

成績:

主な使用弓具は、以下の通りとなります。

30m  

使用弓: 宮田純治自作グラスファイバーFRP和弓 並寸15-16㎏

使用矢:ジュラルミン矢(シャフト:イーストンXX75 2013)

弽:柔帽子

その他:弦は麻弦/自作の合成繊維の弦を併用、手製のサイト(照準器)使用

50m

使用弓:宮田純治自作グラスファイバーFRP和弓 三寸詰18-20㎏

使用矢:ジュラルミン矢(シャフト:イーストンXX75 2013)

弽:柔帽子

その他:弦は麻弦/自作の合成繊維の弦を併用、手製のサイト(照準器)使用

70m

使用弓:宮田純治自作グラスファイバーFRP和弓 三寸詰20-22㎏

使用矢:ジュラルミン矢(シャフト:イーストンXX75 2013)

弽:柔帽子

その他:弦は麻弦/自作の合成繊維の弦を併用、手製のサイト(照準器)使用

90m

使用弓:宮田純治自作グラスファイバーFRP和弓 五寸詰23-25㎏

使用矢:ジュラルミン矢(シャフト:イーストンXX75 2013)

弽:柔帽子

その他:弦は麻弦/自作の合成繊維の弦を併用、手製のサイト(照準器)使用

1977年キャンベラ世界選手権アーチェリー男子個人銀メダリスト 亀井孝様による、アーチェリーのアーチャー視点からみた宮田純治の成績について、講評を頂いておりますので、ご参考にリンクを貼付させていただきます。

日本のアーチェリーの原点がここに

https://www.a-rchery.com/2022/05/29/rogers/

World Archery Championships 1967本選で弓を引く宮田純治①

World Archery Championships 1967本選で弓を引く宮田純治②

スコアブック①

スコアブック②